暗号資産の土台となる技術である「ブロックチェーン」。
前回の記事では、ブロックチェーンがどのようにデータを分散して管理し、なぜ過去の記録を簡単に改ざんできないのか、その基本的な仕組みを解説しました。
では、実際にブロックチェーンに記録される「1つのブロック」は、どのように作られているのでしょうか?
ブロックの中には、ただ取引データが入っているだけではありません。
今回は、ビットコインを例に、「取引が発生してから、1つのブロックとして記録されるまで」を順番に見ていきます。
ブロックが作られる流れを知ることで、ブロックチェーンの仕組みをさらに深く理解できるようになります。
あわせて読みたい:「ブロックチェーンとは?“改ざんできない世界”の仕組みを初心者向けに解説」
1.そもそも「ブロック」には何が入っている?
ブロックとは、簡単にいうと複数の取引データなどをまとめて記録したデータのまとまりです。
例えばビットコインでは、
「AさんがBさんにビットコインを送った」
といった取引が次々に発生します。
しかし、これらを1件ずつバラバラにブロックチェーンへ追加しているわけではありません。
一定のルールにしたがって複数の取引をまとめ、1つの「ブロック」として記録します。
イメージすると、
たくさんの取引データ
↓
1つのブロックにまとめる
という仕組みです。
そして、このブロックには取引データだけでなく、そのブロックがどのようなブロックなのかを示す情報も含まれています。
代表的なものとして、
- 取引データ
- 前のブロックにつながるための情報
- ブロックを作るために使われる情報
- ブロックの時間に関する情報
などがあります。
つまり、ブロックは単なる「取引データの箱」ではなく、そのブロックを正しく記録するために必要な情報をまとめたものなのです。
2.取引が発生したら、すぐブロックになるの?
ここで一つ疑問が出てきます。
「AさんからBさんへビットコインを送ったら、その瞬間にブロックへ記録されるの?」
実は、そうではありません。
ビットコインの取引が行われると、まずその取引情報が、ビットコインの仕組みに参加しているコンピューター(ノード)に伝わります。
では、この「ノード」とは何なのでしょうか?
「ノード」とは?
ノードとは、簡単にいうと、ビットコインの仕組みに参加しているコンピューターのことです。
ノードは、送られてきた取引がルールに合っているかを、自動的に確認します。
例えば、
- Aさんが本当にそのビットコインを使えるのか
- Aさん本人が送ったことを証明できるか
- 同じビットコインを二重に使おうとしていないか
- 取引の金額などに問題がないか
といった点をチェックします。
この検証を通過した取引は、まだブロックチェーンに正式に記録されたわけではありません。
ブロックに入るのを待つ取引として扱われ、その後、マイナーが取引をまとめてブロック候補を作ります。
ノードとマイナーは何が違う?
ここで、ノードとマイナーの違いを整理しておきましょう。
ノード:取引やブロックが、ビットコインのルールに合っているかを確認する。
マイナー:有効な取引をまとめてブロック候補を作り、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の計算を行って、新しいブロックを追加しようとする。
つまり、基本的には「確認する役割」と「新しいブロックを作る役割」が違います。
ただし、マイナーがノードとしても機能している場合があります。
そのため、
ノードとマイナーは同じものではないが、マイナーがノードの役割も担うことがある
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
このように、取引が発生してからブロックチェーンに正式に記録されるまでには、いくつかの段階があるのです。
3.マイナーは何をしている?
ノードによって検証された取引は、ブロックに入れる候補として扱われます。
では、マイナーはその後、何をしているのでしょうか?
マイナーは、検証された取引の中から選んでまとめ、ブロック候補を作ります。
イメージすると、
取引A+取引B+取引C+取引D
↓
ブロック候補
という形です。
ただし、ブロック候補を作っただけでは、まだ正式なブロックではありません。
ここからマイナーは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)という仕組みによる計算作業を行います。
これが「マイニング」です。

4.マイニングでは何をしている?
では、ブロック候補ができた後、マイナーは何をするのでしょうか?
ビットコインでは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)という仕組みを使って、新しいブロックを追加します。
マイナーはコンピューターを使って、ブロック候補に含まれる情報をもとに、決められた条件を満たす値を探す計算を繰り返します。
イメージすると、
ブロック候補を作る
↓
条件を満たす値を探して計算を繰り返す
↓
条件を満たす値を見つける
↓
ブロックをネットワークへ送る
という流れです。
この計算には大量の処理が必要になるため、簡単に成功できるわけではありません。
そして、条件を満たしたブロックがネットワークへ送られると、他のノードがそのブロックに問題がないかを検証します。
つまり、マイナーが計算に成功したからといって、それだけで正式なブロックになるわけではありません。
マイナーがブロックを作る
↓
他のノードがブロックを検証する
という流れになっています。
このように、PoWによる計算とノードによる検証を組み合わせることで、ビットコインでは不正なブロックが簡単に追加されない仕組みになっています。
ちなみに、マイニングの仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい:「マイニングの正体は『数字当てゲーム』?ビットコインの仕組みを誰でもわかるように解説」
5.正しいと確認されたブロックがチェーンに追加される
マイナーが新しいブロックを作ってネットワークへ送ると、そこで終わりではありません。
今度は、他のノードがそのブロックに問題がないかを確認します。
取引の内容やブロックの情報などを検証し、ビットコインのルールに違反していないことが確認されると、そのブロックは有効なブロックとして扱われます。
そして、これまでのブロックチェーンに新しいブロックが追加されます。
イメージすると、
これまでのブロック
↓
新しいブロック
↓
さらに次のブロック
というように、記録が積み重なっていきます。
このように、マイナーが作ったブロックを他のノードが検証することで、ビットコインのブロックチェーンに新しい記録が追加されていきます。
ここまで来て、ようやく取引がブロックチェーンに記録されることになります。
6.1つのブロックができるまでを整理しよう
ここまでの流れを整理してみましょう。
① 取引が発生する
↓
② ノードが取引を検証する
↓
③ マイナーが取引をまとめてブロック候補を作る
↓
④ マイニングによってPoWの計算を行う
↓
⑤ 他のノードが完成したブロックを検証する
↓
⑥ 問題がなければブロックチェーンに追加される
この流れを理解すると、ブロックチェーンが単純に「データを保存する箱」ではないことが分かります。
取引を確認し、まとめ、計算によってブロックを作り、他のノードが検証する。
こうした一連の仕組みが組み合わさって、ビットコインのブロックチェーンが動いているのです。
まとめ
今回は、ビットコインの取引がどのようにして1つのブロックとして記録されるのかを見てきました。
特に重要なのは、ノードとマイナーには、それぞれ違う役割があるということです。
- ノード:取引やブロックがルールに合っているかを検証する
- マイナー:取引をまとめてブロック候補を作り、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の計算を行う
- ブロック:取引データと、ブロックチェーンにつなげるための情報などをまとめたデータのまとまり
つまり、ビットコインは一人の管理者がすべてを確認しているのではなく、それぞれの役割を持つコンピューターが協力することで、取引を確認し、新しいブロックを追加しているのです。
「ブロックチェーン」という言葉だけでは見えにくかった、ブロックが作られていく具体的な流れを知ることで、ビットコインの仕組みをより深く理解できたのではないでしょうか。
【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身でお願いいたします。

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