クラリティ法案とは?暗号資産のルールがどう変わるのか初心者向けにわかりやすく解説

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アメリカで現在、「クラリティ法案(CLARITY Act)」と呼ばれる暗号資産関連の法案が注目されています。

クラリティ法案は、暗号資産やデジタル資産について、どのようなルールを適用するのか、そしてSEC(米証券取引委員会)CFTC(米商品先物取引委員会)がそれぞれどの範囲を監督するのかを明確にすることを目指した法案です。

これまでアメリカでは、暗号資産が「証券」なのか「商品」なのか、どの政府機関が監督するのかが分かりにくい部分がありました。

そのため、暗号資産業界からは、より明確なルールを求める声が上がっていました。

では、クラリティ法案によって、暗号資産の世界はどのように変わるのでしょうか?

アメリカの法案なので、日本の法律が直接変わるわけではありません。

しかし、アメリカは世界でも大きな暗号資産市場を持つため、その規制が変われば、ビットコインなどの世界の暗号資産市場や、日本の暗号資産業界にも間接的な影響を与える可能性があります。

この記事では、クラリティ法案の基本から、ビットコインやイーサリアム、ステーブルコイン、DeFiへの影響、そして日本との関係まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

1.クラリティ法案とは何か

クラリティ法案の正式名称は、Digital Asset Market Clarity Act(デジタル・アセット・マーケット・クラリティ・アクト)です。

簡単にいうと、アメリカにおける暗号資産市場のルールを明確にすることを目指した法案です。

特に重要なのが、

  • 暗号資産をどのように分類するのか
  • どのような暗号資産を「デジタル商品」として扱うのか
  • SECとCFTCのどちらが監督するのか
  • 暗号資産の取引所や仲介業者にどのようなルールを適用するのか

といった点です。

クラリティ法案は、2025年に米下院を通過し、その後、上院で内容の修正や議論が続いています。

つまり、現時点ではまだ成立した法律ではありません。

ここは非常に重要なポイントです。

2.なぜ今、注目されているのか

クラリティ法案が注目されている大きな理由は、これまで曖昧だったアメリカの暗号資産規制を、法律によって明確にする可能性があるからです。

これまでアメリカでは、暗号資産が「証券」なのか「商品」なのか、またSECCFTCのどちらが監督するのかについて、分かりにくい部分がありました。

クラリティ法案が成立すれば、こうした暗号資産の分類や監督する政府機関の役割などが、法律によって明確になる可能性があります。

これは、ビットコインやイーサリアムだけでなく、暗号資産を取り扱う取引所や金融機関、企業などにも関係する重要な変更です。

そして現在、この法案をめぐる動きが大きく進んでいます。

2026年9月10日には、米上院共和党側から630ページに及ぶ改訂版のクラリティ法案が公表されました。

この改訂版には、民主党側から出された100件以上の提案も取り込まれたとされています。

さらに、9月15日には上院で重要な手続き上の採決が予定されています。

この採決は法案をそのまま成立させるための最終採決ではありません。

しかし、今後の上院審議を進められるかどうかを左右する重要なポイントになります。

つまり、クラリティ法案は、「アメリカの暗号資産規制を大きく変える可能性がある法案」だからこそ注目されており、現在その審議が大きく動いているため、特に注目を集めているのです。

3.SECとCFTCの役割がどう変わるのか

クラリティ法案を理解するうえで、まず知っておきたいのがSECCFTCです。

SEC(米証券取引委員会)とは?

SECは、アメリカの証券市場を監督する政府機関です。
株式などの「証券」に関するルールを担当しています。

CFTC(米商品先物取引委員会)とは?

CFTCは、商品先物などの市場を監督する政府機関です。
クラリティ法案では、暗号資産のうち一定のものを「デジタル商品」として扱い、CFTCが監督する仕組みが重要なポイントとなっています。

つまり、「この暗号資産はSECが担当するのか、それともCFTCが担当するのか?」という部分を、より明確にしようとしているわけです。

これまでのアメリカでは、この境界が分かりにくいことが暗号資産業界にとって大きな問題の一つとなっていました。

4.ビットコインやイーサリアムへの影響

では、クラリティ法案によって、ビットコインやイーサリアムにはどのような影響があるのでしょうか?

クラリティ法案によって暗号資産に対するルールが明確になれば、暗号資産を取り扱う企業や金融機関にとって、事業を行いやすくなる可能性があります。

例えば、

  • どの政府機関が監督するのか
  • どのようなルールを守ればいいのか
  • 取引所や仲介業者は何をしなければならないのか

といった点が明確になれば、企業側の不確実性が小さくなる可能性があります。

こうした環境が整えば、ビットコインやイーサリアムを含む暗号資産を、金融機関や企業がより取り扱いやすくなることも考えられます。

そのため、クラリティ法案は、暗号資産市場をより整備された市場へ近づける可能性がある法案として注目されています。

ただし、実際にどのような影響が出るのかは、今後の法案の内容や成立後のルールによっても変わってきます。

5.ステーブルコインへの影響

次に、ステーブルコインです。

ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨との価値を安定させることを目指した暗号資産です。

代表的なものとして、USDTやUSDCなどがあります。

クラリティ法案では、暗号資産市場全体のルールを整理する中で、ステーブルコインをどのように分類し、どのようなルールのもとで取り扱うのかについても議論されています。

ただし、ステーブルコインについては、クラリティ法案だけを見ればよいわけではありません。

アメリカでは、2025年に成立したGENIUS Act(ジーニアス・アクト)によって、ステーブルコインについて別の法律による規制整備も進められています。

そのため、

GENIUS Act=ステーブルコインのルール

CLARITY Act=暗号資産市場全体の市場構造に関するルール

簡単にいうと、GENIUS Actはステーブルコイン、CLARITY Actは暗号資産市場全体のルールを定める法律です。

6.DeFiはどうなる?

DeFiとは、銀行や証券会社などの中央管理者を介さず、ブロックチェーンやスマートコントラクトを利用して金融サービスを提供する仕組みです。

例えば、暗号資産を預けて利息のような収益を得たり、暗号資産を別の暗号資産と交換したり、暗号資産を担保にして資金を借りたりすることができます。

銀行などがサービスを管理するのではなく、ブロックチェーン上で動くプログラム(スマートコントラクト)によって、あらかじめ決められたルールに沿って取引が行われることが大きな特徴です。

そのため、DeFiは「分散型金融」と呼ばれています。

クラリティ法案では、このDeFiについても重要な議論が行われています。

特に今回の改訂版では、「非分散型DeFi取引プロトコル」に関する規定が追加されました。

簡単にいうと、「DeFiを名乗っていても、実際には特定の企業や人物などが強い権限を持っている場合、一定の規制対象にする」という考え方です。

改訂版では、一定の非分散型DeFi取引プロトコルについて、CFTCへの登録などを求める仕組みが盛り込まれています。

これは、今後のDeFi業界にとって大きなポイントになります。

7.なぜ法案成立が難航しているのか

ここまで見ると、「暗号資産のルールを明確にするなら、すぐ成立しそう」と思うかもしれません。

しかし、実際にはさまざまな意見が対立しています。

例えば、

  • DeFiをどこまで規制するのか
  • ステーブルコインの利回りをどう扱うのか
  • マネーロンダリング対策をどうするのか
  • 銀行と暗号資産企業の競争をどう考えるのか
  • 政治家などの暗号資産取引をどう規制するのか

など、解決しなければならない問題があります。

暗号資産業界だけでなく、銀行業界からも法案の内容に対する意見が出ています。

そのため、法案の内容をめぐる交渉が続いています。

8.9月15日の上院採決が重要な理由

今回、特に注目されているのが2026年9月15日の上院採決です。

ただし、ここで注意したいのは、9月15日にクラリティ法案が成立するわけではないということです。

9月15日に予定されているのは、上院で本格的な審議を進めるための重要な手続き上の採決です。

この採決には、通常の単純過半数ではなく、60票が必要とされています。

現在、上院は共和党だけで60議席には届かないため、民主党議員などからも賛成を得る必要があります。

そのため、9月15日の採決は、「クラリティ法案が今後も前に進めるのか、それとも再び停滞するのか」を見るうえで、重要なポイントになります。

9.クラリティ法案は日本にも影響する?

「アメリカの法律なら、日本に住んでいる自分には関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

もちろん、クラリティ法案が成立したからといって、日本の暗号資産に関する法律が直接変わるわけではありません。

しかし、アメリカは世界でも大きな暗号資産市場を持つ国です。

そのため、アメリカで暗号資産のルールが明確になり、金融機関や企業が暗号資産を扱いやすくなれば、ビットコインなどの暗号資産市場全体に影響を与える可能性があります。

また、アメリカがどのようなルールを整備するのかは、今後の日本を含む各国の暗号資産規制を考えるうえでも、参考になる可能性があります。

つまり、「日本の法律が直接変わるわけではないけれど、世界の暗号資産市場を通じて間接的な影響を受ける可能性がある」ということです。

10.今後の注目ポイント

今後は、まず9月15日の上院採決が大きなポイントになります。

ただし、今回のクラリティ法案は、今後の審議にもかなり時間的な制約があります。

2026年11月にはアメリカの中間選挙が予定されており、その前に法案を成立させるためには、上院での審議だけでなく、下院との調整も進めなければなりません。

そのため、9月15日の採決を通過したとしても、

  • 上院での審議
  • 法案のさらなる修正
  • 民主党・共和党の協議
  • 下院との調整
  • 最終的な法案成立
  • 成立後の具体的なルール作り

など、まだいくつもの段階があります。

さらに、もし今回の議会で法案を成立させることができなければ、次の議会で改めて法案を提出し、審議をやり直す必要があります。

そのため、「今回の機会を逃すと、暗号資産の包括的な規制整備がかなり先になる可能性がある」との見方も出ています。

暗号資産政策に積極的に関わることで知られるシンシア・ルミス上院議員からは、次の本格的な機会が2030年になる可能性についても警告されています。

もちろん、これは現時点で確定している未来ではありません。

しかし、9月15日の採決は、クラリティ法案が今年中の成立に向けて前進できるのかを判断するうえで、非常に重要なポイントになっています。

11.まとめ

クラリティ法案は、アメリカの暗号資産市場におけるルールを明確にすることを目指した重要な法案です。

特に、

  • 暗号資産をどのように分類するのか
  • SECとCFTCの役割をどう分けるのか
  • 暗号資産取引所などをどのように規制するのか
  • DeFiをどこまで規制するのか

といった点が重要になります。

2026年9月10日には630ページの改訂版が公表され、9月15日には上院で重要な手続き上の採決が予定されています。

ただし、現時点ではまだ成立した法律ではありません。

今後の審議によって内容が変わる可能性もあるため、「9月15日の採決で何が起こるのか」「その後、法案がどこまで進むのか」が注目されます。

また、今回の法案はアメリカの法律ですが、アメリカの暗号資産市場は世界の市場にも大きな影響を与えるため、日本の投資家にとっても無関係な話ではありません。

今後、クラリティ法案がどのような形でまとまっていくのか、引き続き注目していきたいところです。

【免責事項】
本記事は、クラリティ法案(CLARITY Act)について、記事公開時点で確認できる情報をもとに解説しています。
クラリティ法案は、記事公開時点ではまだ成立した法律ではなく、今後の審議によって内容が変更される可能性があります。
また、本記事は投資や暗号資産の売買を推奨するものではありません。投資を行う際は、最新の情報をご確認のうえ、ご自身の判断と責任で行ってください。
本記事は、法律・税務・金融に関する専門的な助言を行うものではありません。

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